メモリーグラフはメモリープラットフォームの研究の一環として構築しているアプリです。最初のアプリであるメモリーハンティングは、2013年11月頃に着想を得て、2014年3月に最初のAndroid版が誕生しました。2014年12月には、古写真と現代の景観を重ね合わせて撮影するアプリとしてGoogle Playで公開。その後も多くのイベントで活用して一定の成果をおさめました。
この後継バージョンとして開発を開始したのがメモリーグラフです。課題はいくつかありました。
第一の課題に対応するために、2015年からメモリーグラフの開発を開始しました。また、アプリを様々なプロジェクトで活用しやすくするよう、目的別にアプリを分けました。最終的には、メモリーグラフの最初のバージョンに加えて、4つの類似アプリを公開しました。うち3つのアプリの情報を以下に示します。
KYOTOメモリーグラフ | 花ログ | 雪ログ |
---|---|---|
KYOTOメモリーグラフは、市電写真を中心として京都の景観変化を探るアプリです。 |
花ログは、花が咲いて散るまでの一生をカメラで記録しシェアするアプリです。身近に咲く花の日々の変化を撮影し、スマートフォンカメラで定点観測してみましょう。いまどこでどんな花が咲いているのか、みんなでシェアしてみませんか? |
雪ログは、各地の積雪状況をスマートフォンカメラで定点観測するアプリです。雪が降って、積もり、融けていく過程を撮影し、スマートフォンカメラで定点観測してみましょう。いまどこでどれほどの雪がありどんな状態なのか、みんなでシェアしてみませんか? |
これらを活用した観光向けイベントを京都や長崎などで展開し、防災向け実証実験も札幌で進めました。
一方、第二の課題については、マルチプラットフォームのための開発環境の状況を見守っていましたが、Google社が開発を進めるFlutterが一定のレベルに成熟したことから、2019年にアプリをFlutterで抜本的に再構築する作業に着手しました。その後、類似アプリを複数公開する方式を禁止するアプリストアのポリシー変更により、2020年10月以降は旧「メモリーグラフ」ファミリーがすべて使えなくなりました。
その後、APIやユーザインタフェースの再設計に取り組み、いくつかのテストバージョンを開発しました。その成果として、2023年3月に、Android版とiOS版の新「メモリーグラフ」をリリースしました。