メモリーグラフ(メモグラ)は同一構図撮影を支援するカメラアプリ。今昔写真、ビフォーアフター写真、定点観測写真、聖地巡礼写真など、変化を可視化する写真術をお楽しみ下さい。
Android版とiOS版のアプリの利用は無料です。Google PlayまたはApp Storeからインストールし、スマートフォンやタブレットなどでご利用下さい。
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メモリーグラフ(メモグラ)は同一構図撮影を支援するカメラアプリ。今昔写真、ビフォーアフター写真、定点観測写真、聖地巡礼写真、位置証明写真など、自然物や人工物の不変性と変化を可視化するフィールドワークに活用していきます。
以下では、メモリーグラフを活用した様々な撮影例を示します。なお2枚の画像の比較には、ウェブページ埋め込み型の画像比較ツールvdiff.js - JavaScript-based visual differencing toolを活用しています。 vdiff.jsをお試しする際には、ビフォーアフター比較(今昔写真)のための画像照合サービスをご利用ください。
観光名所では、昔も今も残るわかりやすい建築物があれば、今昔写真の撮影がしやすいでしょう。
古写真を活用したフィールドワークにもメモリーグラフは活用されています。例えばシルクロード遺跡データベースでは、100年以上前にシルクロードを探検した人々が撮影した古写真の撮影場所を特定するために、現代に改めて現地調査を行い、メモリーグラフで撮影場所を特定する活動を進めています。詳しくは画像照合カード 一覧をご覧ください。
災害直後の写真を活用した災害調査にもメモリーグラフは活用されています。例えばメモリーハンティングの活動では、阪神淡路大震災やインド洋大津波の被災地において、災害直後の写真と災害復旧/復興後の景観を比較することで、災害による社会の変化を可視化しながら理解を深めています。例えば、阪急会館前 - 画像比較 - 1.17の記録(中央区)などをご覧ください。
植物の開花や季節の移り変わりなど、自然物の変化を可視化するのに、定点観測写真は便利です。
建設現場など、人工物の変化の可視化にも、定点観測写真が有用です。
アニメなどのコンテンツで有名な場所(聖地)を訪問し、コンテンツにできるだけ近い構図で撮影することで、実際の風景が残されている部分と、作者によって書き換えられた部分とを区別できます。
シーン | シーン地図 | シーン・フォト比較 |
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メモリーグラフは、シーン単位で写真群を撮影し、プロジェクト単位でシーンを管理するという仕組みとなっています。
まずシーンとは、同一の場所において異なる時間に撮影された写真群をまとめたものです。そして、シーンの中で基準となる画像をシーン画像、シーン画像に合わせて撮影された写真をフォトと呼びます。
一方プロジェクトとは、プロジェクトシーンの順序つき集合です。ここでプロジェクトシーンとは、シーンにプロジェクト特有の情報を付け足したデータ構造です。プロジェクトには、マイプロジェクトと共有プロジェクトがあります。マイプロジェクトは端末内でシーンを管理するプロジェクト、共有プロジェクトはサーバ側でシーンを管理し、アクセスコードを入力すれば複数人で共有できるプロジェクトです。このように、個人的な活動(趣味等)でも集団的な活動(ワークショップ等)でも、アプリを活用することができます。
シーンとプロジェクトを作成すると、次はアプリでの撮影となります。撮影時はプロジェクトからシーンを選択し、シーン画像をスマートフォンカメラのファインダーに半透明で表示することで同一構図撮影を行います。シーン画像の選び方しだいで、様々なフィールドワークに同一構図撮影を展開できます。以下には活用例として、今昔写真、ビフォーアフター写真、定点観測写真、聖地巡礼写真、位置証明写真、撮影シミュレーションを取り上げます。
今昔写真 過去と現在の比較 |
ビフォーアフター写真 急激な変化の比較 |
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シーン画像には、昔に撮影された写真を選びます。古写真を基準に現代の景観を同一構図撮影することで、長い時間の経過とともに生じた景観変化を把握できます。ペア写真を詳細に比較することで、過去から現代まで残された小さな痕跡などの発見にもつながります。また、撮影場所が未知の場合は、同一構図撮影が撮影場所を特定する重要な証拠にもなります。 |
シーン画像には、災害等で生じた非連続的な変化の前後を撮影した写真を選びます。災害前に撮影した写真をシーン画像に選べば、災害で生じた被害の大きさを可視化できます。また災害直後に撮影した写真をシーン画像に選べば、災害からの復旧/復興を可視化できます。 |
定点観測写真 緩やかな変化の比較 |
聖地巡礼写真 メディアを横断した比較 |
シーン画像には、ある時点の写真を選びます。そして同一地点から同一構図撮影を継続することで、自然物や人工物の連続的な変化(植物の開花や成長、季節による風景の変化、建設工事等)をタイムラプス画像として記録できます。 |
シーン画像には、マンガ、アニメ、映画など、自分の好きなコンテンツの画像を選びます。そして、その舞台となった場所を訪問することで、メディアを横断した同一構図撮影を行います。作成者や出演者の視線を疑似体験することで、より没入感の高い聖地巡礼(コンテンツツーリズム)体験が可能となります。 |
位置証明写真 同一構図撮影による位置証明 |
撮影シミュレーション 撮影の再現による撮影行為の分析 |
シーン画像には、運営者が指定する画像を選びます。そして参加者は、同一構図写真を撮影することで、画像を撮影可能な位置を通過したことを証明します。これは同一構図撮影というタスクの難しさをゲームに活用したものであり、フォトオリエンテーリングやフォトロゲイニングなどの例があります。 |
シーン画像には、撮影行為を分析したい画像を選びます。この場合、同一構図撮影の目的は、過去の撮影行為の再現(シミュレーション)にあります。撮影者はどこに立ち、どの構図を選び、どのようなカメラやレンズを使って撮影したのか?撮影行為の再体験を通して、撮影者の意図に関する理解を深めます。 |
これらのシーン画像をアプリに登録する方法として、「マイプロジェクト」と「共有プロジェクト」という2種類の方法を用意しています。
マイプロジェクト | 共有プロジェクト |
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アプリユーザは自分のプロジェクトに対して任意のシーン画像を登録できます。自分ひとりで同一構図撮影を継続するのに最適ですが、マイプロジェクトは端末を越えて共有できないため、撮影したフォトをアプリ内で他者と共有することはできません。 |
プロジェクト作成者がシーン画像を登録し、アクセスコードを入力したプロジェクト参加者がそれを共有します。複数の参加者がシーンを共有して同一構図撮影するイベントに最適で、撮影したフォトはアプリ内で共有できます。 |
まずは、マイプロジェクトに興味のあるシーン画像を設定し、アプリを持ち歩きながら様々な場所で同一構図撮影を体験してみてください。
一方、共有プロジェクトについても、様々な活用事例を蓄積しています。今昔写真については、古写真を活用した新しい観光ツアーの企画や、古写真の撮影場所をみんなで探る市民科学プロジェクト、さらには時代の変化に基づきまちづくりを議論するワークショップなどへの活用事例があります。またビフォーアフター画像についても、災害からの復興について学ぶ現地ツアーやワークショップへの活用事例があります。